INTERVIEW07
シアタープロデューサー


PEO
PLE
公演事業本部
ファクトリー部
HIDA
2020年入社 / 医学研究科
CHAPTER 01
子どもの頃から舞台を観るのが好きでしたが、新卒での就職活動時はビジネス分野で専門性を磨きたいと考え、大学院の学びを活かせる総合シンクタンクに入社しました。しかし、趣味の観劇でホリプロ制作の舞台『海辺のカフカ』やミュージカル『メリー・ポピンズ』に出会い、心に染み入るような感動を覚えたことがきっかけで、「そんな作品を自らの手で創りたい」という思いが再燃。数ある総合エンタメ企業の中でも、ホリプロが持つ質の高い作品群はもちろん、興行としてビジネスを成立させる盤石な土壌がある点に惹かれ、前職とは大きく異なる環境で新たなキャリアを歩んでいく決意を固めました。入社後、初めて制作スタッフとして参加したのが、ミュージカル『ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー〜』です。キャストとスタッフ合わせて総勢120人近くの大規模な現場から、私の新たな挑戦が幕を開けました。
シアタープロデューサーとして、ストレートプレイやミュージカルなど舞台作品の企画立案から上演までのすべてを統括しています。具体的には、演出家やキャストの選定、宣伝戦略の構築、予算管理など、その業務は多岐にわたります。舞台は数多くのプロフェッショナルが関わって創り上げる、大規模な総合芸術です。例えば、2025年に上演した舞台『リンス・リピート』では、キャストやスタッフがお互いをリスペクトし、フラットに意見を出し合える環境を整えたことで、自分が思い描いていた演出、芝居、戯曲の力をはるかに超えた作品を生み出すことができました。クリエイティビティを追求すると同時に、厳密な予実管理を行うことでビジネスとしての成立を図る。ヒト・モノ・カネの全てを最適にコントロールし、芸術性と収益性の両輪を回していくことが、私たちプロデューサーの使命だと考えています。
CHAPTER 02
プロデューサーとして初めて、ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』を上演したことです。1981年の日本初演以来、再演を繰り返しているホリプロの大事な作品に携われることに胸が高鳴りましたね。しかし、脚本と音楽は同じでも、演出家が変われば表現が変わり、美術も衣裳も変わります。新演出、新ピーター・パンのお披露目という大きなプレッシャーの中、わからないことばかりで苦労は絶えませんでしたが、歴代プロデューサーの先輩方に助言を求め、部署を越えて力を借りながら、あらゆる課題を一つひとつ解決していきました。そこで実感したのは、「関わる全ての人へのリスペクト」の大切さです。自分が想像もしなかった発想で、クリエイター陣が作品をどんどん深化させていく過程に立ち会えたことは、大きな喜びでした。なんとか迎えた初日、終演後に湧き起こった子どもたちの歓声と拍手は、今でも忘れられません。
まだ誰も知らない無名の新人を、時間をかけてスターにしていく。そうした芸能プロダクションとしてのエッセンスが、舞台制作の現場にもしっかりと宿っています。世間的な知名度がなくても確かな実力があり、原石のような輝きを有している俳優に積極的にお声がけをすることもしばしば。それは共に作品を創るスタッフも同じで、ベテランばかりではなく将来有望な若手のクリエイターとご一緒することも少なくありません。キャストもスタッフも含め、苦楽を共にしながら一緒に成長していける環境が魅力です。また、ファクトリー部では早い段階から様々なプロジェクトの進行を任されるため、プレッシャーも大きい分、ビジネスパーソンとして圧倒的なやりがいと成長を実感できます。自分が面白いと思ったことに積極的に挑戦でき、スピード感を持って新たなエンタメを創り出せる環境があると実感しています。
CHAPTER 03
全社をあげた一大プロジェクトである舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の立ち上げ時に、宣伝・マーケティングチームへ参画したことです。超ロングラン公演を成功させるため、「作品の認知度を極限まで高め、チケットを完売させる」という目標が設定されました。私はテレビ局をはじめとする社外のパートナー企業と綿密な打ち合わせを重ね、パブリシティ戦略の立案・実行からオウンドメディアの運用まで、幅広くマーケティング業務に従事しました。各種データに基づきターゲット層へアプローチしていくプロセスは、前職の経験も活きる非常に刺激的なものでした。数年先を見据えたスケールの大きなビジネスの動かし方と、たくさんのステークホルダーを巻き込む術を学んだ、印象深い経験です。2022年の開幕以降、今なおたくさんの人々の感動と熱狂を生み出し続けている作品に携われたことは、私の誇りです。
これからも、質の高い舞台作品をお客様にお届けすると同時に、ビジネスとして高い収益力を誇る作品を持続的に生み出していくことです。そのためにも、常に世の中のニーズを的確に捉え、自らの発想をアップデートし続けていく必要があると考えています。また、現在は国内での仕事が大半ですが、いずれは海外で作品を上演すること。さらに、自らの企画で日本発のオリジナル作品を創り、海外へライセンスアウトすることが最大の目標です。これまでホリプロが培ってきた海外公演の実績やネットワークを活かし、演劇はもちろん、映画や小説、美術などあらゆるカルチャーを吸収しながら、一緒に世界を目指せるクリエイターを見つけていきたいです。プロデューサーとしての人間力と精神力、ビジネススキルをさらに高め、日本の舞台作品を世界基準のエンタメへと押し上げていく原動力になりたいですね。